ミックスボイス(ミドルボイス)を練習し始めてから一年余り。
ようやくミックスボイスがでるようになってきたので、その出し方やコツを書いていこうと思います。
ちなみに自分はボイトレのレッスンやスクールなどには通っておらず、ブログ記事を漁りまくって得た情報のみの半分自己流で習得していますw。
それと当方は男なのでミックスボイスの出し方は主に男声用のものですが、考え方としては女声の方も同じだと思いますので参考にはなると思います。
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ミックスボイスの出し方1 鼻歌を歌う
ミックスボイスの出し方には裏声が必要なのですが、まずはその前に口を閉じて鼻歌を歌うところから始めましょう。
出せたら口を開いてそのまま鼻歌を歌う感じで声を出します。
普通の地声とは違う裏声のような薄い歌声になりますが、地声とは違って高い音域のキーは簡単に出せると思います。
コツとしては口の奥、鼻と繋がっている箇所を響かせる感じに力を入れるとやりやすいですし、軽い力でも強い裏声になるのでやってみてください。
いわゆる「鼻腔共鳴」というやつです。
鼻と口が繋がっているところと言っても分かりにくいと思いますので、画を作ってみました。
黒い円で囲まれたところです。
この部分を響かせましょう。
よく「ミックスボイスを習得するには鼻声にするとよい(ゾンビ声とか)」と言われていますが、鼻の奥が響くのと鼻声にするのは似ている感じがするのである意味正しいような気がしますが、正確には違うとも言えます。
(プロの歌手でも鼻声っぽい人はいますがね)
感覚としてはあえて強い鼻声を出すのではなく、ほんの軽い鼻声になるくらいで良いでしょう。
もちろん鼻声感の強い歌声を目指しているのであれば強い鼻声を出しても良いです。
とここまで鼻の奥を響かせるのが良いように言っていますが、なるべくならそこでは強く響かせずに声はお腹の底から出すようにしてください。
「鼻と口の付け根だったりお腹の底だったり一体どっちやねん!」
そんな声も聞こえてきそうですが、最終的にはお腹の底から出すのを目指しましょう。
最初は鼻と口の奥でも構いまわないのですが、こっちだと軽いミックスボイスが出しやすい反面、地声の成分が多すぎて裏声を入れる余地が減り、結局超高音の音域がでなかったり、喉がヘロヘロに疲れて高音のキーが出なかったりと完全なミックスボイスにはなりにくいので、鼻歌の感じで声を出すと鼻と口の奥が響くのを確認したら、声はなるべくお腹の底から出すのを意識して歌ってください。
ミックスボイスを出すときは鼻と口の奥は勝手に響いてきますので、声の発生源の意識を向けるのであれば上よりも下に向けましょう。
(というか声の意識を下に向けないと勝手に上に上がってきて、徐々に弱いミックスボイスになり、結局喉がヘロヘロに疲れて高い音域のキーが出なくなる)
2 裏声をお腹の底から出す
ミックスボイスを出すための2つ目の要素としては、やはり昔からボイトレで言われている、
「お腹から声を出す」
ということです。
「あーだめだめ。腹式呼吸でしょ? あれミックスボイスには意味ない」
と思われる方もいるでしょうが、
やっぱりこれ必要です。
(上の章でも少し書きましたが)
といっても厳密な複式呼吸は要りません。
「喉に力を入れない」というのを聞いたことがある人は多いでしょう。
これをやるためにはお腹から声を出すというかお腹の底から声を出すのが必要になります。
(これのコツはお腹の中よりもサイドの側筋に力を入れる方が全体を使えて良いと思います)
で、これが何で良いのかというと声を出すポジションが下げられる点です。
経験上高いキーを出そうとしているのに、声がへろへろになって出ない場合は毎回声を出すポジションが喉よりも上になっています。
そして何故かこういうときは大体喉に力が入っています。
逆に声を出すポジションをお腹辺りでキープできればスムーズに高いキーが出てくるように感じます。
この時は何故か喉がリラックスしていて力が入っていません。
なのでスムーズな高音を出したいのなら力を喉に入れるのではなく、お腹の底に入れて(入れすぎる必要は無い)、喉はずっとリラックスさせると良いのだと思います。
すぐに力が喉にいってしまうという方は常にお腹の底を意識してインナーマッスルを鍛えましょうね。
ついでなので書きますが、この時喉を大きく息を吸うような形にさせて声を出すと更に良い気がします。
(息を吸いながら吐くという物理法則に反した感じですが、これは実際に吸うのではなく吸うような形の喉にするということです)
どこかで聞いたことはないいでしょうか?
「喉を開かせて歌え」と。
この情報を読んだ時、はっきり言って
「意味がわからん」
と思いました。
喉を開かせろとはいろんなサイトに書いてあるのにその具体的方法を誰も書いていないので訳が分かりませんでした。
が、これもやっている内に分かってきました。
要は、口から大きく息を吸って臍の下に口がある体で声を出す
そんなイメージで歌えば、喉を開いて、尚且つ喉もリラックスさせ、更には腹筋を使ってお腹から歌うことが出来るのです。
正に一石三鳥!
(あくまで自分の感覚ですが参考にはなるでしょう)
そして今回はミックスボイスを習得しようとしているので、声を出すといってもその声は裏声にします。
要約すると、お腹の側近に少し力を入れてヘソの下あたりに口があると思ってそこから裏声を出す、ということになります。
(臍の下から裏声を出して鼻から出す感じにするとより良い)
感覚ついでとしては裏声を出すのと同時に、上の図の黒い丸の部分を下に下げるようにするとより良い気がします。
(鼻の奥の部分を下に下げる感じ)
よく「歌うときは喉を下げるといい」といった話も聞きますが、これがそれに当たるのではないでしょうか。
この部分を下げると同時に喉も下がる感じになるのです。
昔は「喉を下げろ」と言われてもその方法もどういう効果があるのかも分かりませんでしたが、この鼻の奥を下げる感じで歌うと声をより深く響かせ、息も通りやすくなるので「歌う時は喉を下げるのが良い」という意味も今では分かる気がしますね。
この2つ目の要素が入れれてるかどうかの確認方法は、1つ目のの鼻歌にこのお腹の底からの裏声を入れると、声が少し薄くなるというか息の成分が増してくる感じになるのでそれで確認してください。
3 ほんの少しだけ地声を入れる
3つ目の要素はさっき出した声に少しだけ地声を入れることです。
感覚としてはさっき出した声に5~10%くらいの地声で十分でしょうかね。
というかそれ以上にすると自分としてはミックスボイスではなく、「ちょっと高い音域が出せる地声」になってしまいます。
人によって感覚は違うと思いますが、会話をするときの元々の声の地声成分が強い人(これまで裏声に全く親しんでない人)だと大体これくらいの分量になると思います。
はっきりいってこれがミックスボイスで一番難しい部分です。
上記した2つの要素(鼻歌とお腹の底からの裏声)まではほとんど声を裏返らせて裏声にするだけなので大体すぐにできると思います。
ですがこの裏返った状態なのにそこで地声を入れるのですから、できない人にとっては至難の業ともいえます。
「大体声が地声から裏返って裏声になっているのだからそこで地声を出すなんて物理的に反している」と感じている方もいるでしょう。
ですがそんなことはありません。
考えてみてください。
地声から裏声に変化するその瞬間は物理的に地声と裏声が両方出ているとは思いませんか?
そもそもの地声と裏声の違いというのは喉の開き具合が違うだけですので、その中間点の開き具合にすれば両方の成分を混ぜた声が出るのは理論的に理解できると思います。
「そんなこと言ったって無理でしょそんなの」
そう思う方もいるでしょうが、無理ではありません。
やろうと思えばできます。
ただそれをやるにはその喉の開き具合を調節してキープする筋肉を鍛える必要があります。
そしてそれはほとんど裏声を出すことでしか鍛えられません。
詳しくは全開の記事に書きましたので良かったら読んでみてください。
ボイトレ:
4 上記の3つをバランス良く同時に行う
上記を踏まえてのミックスボイスのやり方は、
鼻歌を歌うような感じで、喉をリラックスな状態にし、裏声を臍の下から出しながら、同時に若干の地声を混ぜるというのを一斉にやる
です。
上記の中で一番難しいのは若干の地声を混ぜる部分ですかね。
コツとしてはオペラのような宝塚のような地声を微かに入れるイメージにすると最初はやりやすいかと思います。
あと、地声に裏声を加えるよりかは裏声に地声を入れる感じの方が良いので、その方向でやってみてください。
あと、裏声を喉の上の方で出すのは一見簡単にミックスボイスを出せる感じがしますが、喉の上の方で出しているとすぐに喉が疲労したり痛くなったりしてくるので、ミックスボイスが出ても持続力がありません。
なので難しいですが裏声はお腹の底から出しましょう。
バランスが大事 |
やることは多いですが、これらをバランスよく一気に出しましょう。
(人によってその最適なバランス配分は違うと思いますので試行錯誤してください。バランスのトータルとしての感じは全ての要素を全て少しだけ出すことかなあ)
すべての要素をバランスよく出せるようになったと思ったら、軽い裏声の力でラッパのように声が大きく響くポイントを探しましょう。
そしてそのポイントを見つけたらその声をベースにして裏声と地声の分量を自分に合ったものに調節し、ミックスボイスを出していきます。
さっきからバランスバランス言っているのは、練習が足りないもしくは裏声を出す筋力が足りない内は上記3つの要素のどれか1つに依存してしまう場合が多いからです。
(例えば鼻歌を出すことに大部分を依存して出していると、最初はうまくいってるようにみえても結局行き詰ってくるなど)
どれかに依存しないで、均等とは言いませんが自分なりにうまくいくパーセンテージを探してミックスボイスの歌声を出してください。
この配分量は人によって違うと思いますので自分で探すしかないでしょう。
自分の感覚で付け加えますと、高いキーを出す場合にトーンを下げて出すとより出しやすいがします。
(これはキーを下げるのではなくEQのようにトーンを下げるの意味です。簡単に言えば高いキーほど煌びやかではなく曇った声を出すということです)
それと、声を出すときはいつも細いスリコギくらいの棒上のものを口から喉へ突っ込んで、その突っ込んだ先端から裏声を出すようなイメージでも行うと良い感じがします。
ボイトレではよく「喉を広げると良い」と言わていますが、はっきりいって喉を広げるという意味が全く分かっていませんでしたが、これがそれに当たるのではないでしょうか。
喉を閉めた方が高い音が出るイメージはありますが(太い筒より細い筒の方が音は高くなるわけだし)、細くするのは声帯のみで喉全体を細くする必要はないみたいです。
それに喉全体を閉めると喉が痛くなったり疲労したりするのが早まるので、やはり喉は広げるというか膨らませる感じの方が良いでしょう。
おすすめの練習曲
アレキサンドロス「ワタリドリ」
アレキサンドロスのワタリドリがミックスボイスの練習曲に良いところは、サビの音域が高すぎて必ず裏声を使わないと絶対に歌えないところです。しかもAメロとBメロはそれに反してすごく音域が低いです。
つまり曲全体を通しての幅の広い音域を歌わないといけないので非常にミックスボイスの練習に向いています。
Aメロは低い音域ですが地声だけで歌っているとサビにきたときすごく違和感のある歌声になってしまいます。
なのでAメロの時からミックスボイスを使う必要があり、低い音域での裏声は難しいので練習になります。
それにサビの音域もすごく高いので単なる裏声では声が薄すぎて歌になりませんので、歌として成立させるには地声の成分を入れないといけません。
というわけでこの曲は低い音域でも高い音域でもミックスボイスの練習になる非常に優秀な練習曲なのです。
といいますかアレキサンドロスの曲はどの曲もこんな感じの音域なので、どの曲であってもミックボイスの練習曲として使えますw。
他に好きな曲があればそっちでも練習しましょう。
スピッツ「楓」
スピッツの楓はAメロBメロは地声のみでもいけますが、サビは高いラの音を長く伸ばしますし、シの音まで出てくるのでミックスボイスを使わないと喉がもたない曲です。サビは裏声を多めにして薄い声を作りましょう。
そしてAメロBメロもそれに合うようなミックスボイスを出していって調整しましょう。
RADWIMPS「君と羊と青」
ラッドウィンプスは「君の名は」以外は地声だけだと少しきつい曲が多いので、結局ミックスボイスを出す必要があるというところが良いところです。中でも「君と羊と青」は最高音が高いソと低いのですが同じ音を連発するタイプのメロディーなので、地声だけで歌っていると喉の耐久力を徐々に奪っていき最後まで良い状態では歌えません。
なのであとちょっとの部分を出し続けるためにもミックスボイスが必要になるので練習曲に向いていると感じました。
それにこの「君と羊と青」はラッドウィンプス特有である「早口のラップ部分」がないので、その分歌詞も短くて覚えやすいし、通常の歌形式で歌いやすくおすすめですw。(ラップは歌詞が長くなるし早口なので苦手)
サカナクション「アルクアラウンド」
サカナクションもほとんどの曲のサビの音域は高めなのでミックスボイスを使う必要があります。歌手の声も全曲通して薄めな声質なので、裏声を多めに出す方のミックスボイスで歌っているのが分かると思います。
中でも「アルクアラウンド」は最後にサビの連続がくるので、地声のみでは耐えきることができなくミックスボイスを出す必要が絶対にあるので練習曲に向いています。
L'Arc~en~Ciel「Driver's High」
ラルクはシングルの「虹」を出す前は「flower」以外ミックボイスなしでもなんとか歌える曲が多めでしたが、「虹」からは地声のみでは厳しい曲ばかりです。中でも「Driver's High」はAメロBメロの音域は低いのにサビの音域は高くて地声のみでは厳しい上に、途中の間奏メロでは高いシの音を長く伸ばすのでミックスボイスができないと絶対に歌えないような曲になっています。
(しかも例えそこをクリアしても最後にサビを二回繰り返すのでやっぱり地声のみでは喉が耐えられないw)
なのでラルクの「Driver's High」はミックスボイスの練習に向いている曲だと言えます。
ミックボイスの出し方 まとめ
1 鼻歌を歌う
2 お腹の底から裏声を出す
3 軽く地声を混ぜる
4 鼻と口の付け根部分を下に下げるようにして上記の3つをバランスよく出す。
では頑張ってください!
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