[DTM]ランダマイズの方法と設定値のコツについて

2018/01/12

Cubase DTMの技 音楽


今回はランダマイズのやり方や設定値に関してです。


ランダマイズはそのやり方を解説しているサイトがたくさんあり案外楽に出来ますが、その設定値に関してまで教えてくれるサイトはあまりないので、やってみたら変な感じになってしまい、結局やめたという人もいるかと思います。
(管理人もその一人ですw)

ですがその設定値はコツさえつかめばなんてことはありませんのでその辺りについて書いていこうと思います。


ちなみに管理人はCubase使いなので主にCubaseでの話になりますが、設定値の話も出てきますのでどんなDAWでも使える話だと思います。




そもそもランダマイズとは?


ランダマイズとはMIDIの配置やベロシティをランダムで変化させ、人間が弾いた感じに似せようとする機能です。
大体のDAWについている機能ですので、やろうと思えばいつでも出来ます。


曲をつくる際にMIDIを配置していきますと、開始位置は10.1.1.0で、長さは0.0.1.0、ベロシティは100など規則正しいものになります。
いわゆるベタ打ちというものですね。
これはこれで綺麗に確実に音が出てきますのでゲームのBGM音などには向いていると思います。
ですがいかにも機械が音を出してますという感じは否めません。
歌ものの曲などで打ち込みを使おうという時にこればかりではあまりにも無機質になります。
(テクノ系ならいいかもしれませんがバンドものなどは厳しい場面も)


そんな時にランダマイズです。
MIDIキーボードなどで実際に弾き、MIDI録音をしてみると分かりますが、人が実際に弾いたものは開始位置も10.1.1.0のように規則正しい位置にはなりませんし、ベロシティも長さもまちまちになります。


ランダマイズではそのような感じにさせることが簡単に出来ますので、特にピアノやストリングスなどのクラシック系生楽器、ベースやドラムなどのバンド系生楽器の音源を使う場合には是非活用したい機能です。

設定方法 その1


各トラックをクリックします。
すると一番左に音色などを選ぶメニューが表示されますのでその中から「MIDIモディファイアー」をクリックします。


ここでは1クリックで移調ができたりする時々便利なセクションですが、ランダマイズで使うのは「ランダム」というところです。


なにやら2マスありますのでここで「ポジション」「ピッチ」「ベロシティー」「長さ」の内2つを選択します。


その横に「min,max」とありますのでそこでランダマイズする値を決めます。
実際に音を聴きながら自分好みの設定にしましょう。
このやり方が一番簡単で楽


というやり方が一番簡単な方法です。
が、簡単なのはいいですがここでは2つしか設定できません。
「ポジション」「ピッチ」を使ったら後の「ベロシティー」「長さ」はランダマイズできない訳ですからなんだか中途半端です。


そこでもう一つのやり方の登場です。



設定方法 その2


まずその編集したいトラックをクリックして選択しておきます。


上のメニューから「MIDI」を選びますといろんな項目が出てきますのでその中から「ロジカルエディター」をクリックします。


すると「ロジカルエディター」というものが出てきます。
これでランダマイズを設定していきます。
ロジカルエディター
使うのは下の段です。
画面にある「値2」とあるところをクリックしますといろんな項目が出てきます。
「ポジション」「長さ」「値1」「値2」等々。
ランダマイズしたい項目を選択しましょう。


「ポジションとか長さは分かるけど値1とかって何?」


値1は確かめていないので分かりませんw!
おそらくピッチのことだと思ってます。
(後で確かめます)
ですが値2は使っているので分かります。

これがベロシティーです!

なんでベロシティーと書かずに値2とされているのかは不明ですw。
パラメーター1で下限をパラメーター2で上限を設定し、最後に右下に隠れるようにして存在している「適用」をクリックすればベロシティーがランダマイズされます。


ただしこちらのランダマイズは適用をクリックすると選択した部分が一気に変更されてしまい、上の方法と違って音を聴きながら1クリックで全体の値を変えて調節することはできません。


なので管理人はポジションや長さの調整は曲を聴きながら加減を調節するため上の方法で調節し、ベロシティーはこっちの方法で一気に変えるということにしています。


設定値はどれくらいがいいの?


遅くなりましたがここからが設定値の話です。


言わずもがなですがその値を大きくしますと違和感のあるものになりますので、値は小さいほうがいいです。


具体的に言いますと上の画にもあるように1桁台にする方が無難でしょう。
2桁までいくとなんかすごく演奏が下手に聞こえます。
といっても人により楽器により違いはあるでしょうから
ある程度好みでやればよいのですが管理人としては
一桁台のしかも前半(1~5)であれば間違いはないのでおすすめします。


「でもこれじゃああまりベタ打ちと違いがないじゃん」
という声もあるでしょう。
確かに自分でMIDIキーボードを使い録音してみるとその狙ったポジションから大きく外れているのになんか自然な感じがします。
しかしベタ打ちで大きくランダマイズするとむちゃくちゃ違和感&下手な演奏になります。
これは不思議で謎ですw。なんの解決にもならなくて済みませんがw。


あとベタ打ちのランダマイズには気をつけないといけない点が あります。
それはポジションと長さの関係です。
その昔ランダマイズの設定が分からない時代にテキトーな値を入れてやっていたら、
「あれ? ときどき音が途切れるぞ?」
となりました。
最初はCPUパワーの使いすぎかとも思いましたが、いろいろなものを切っていってもこの症状は治りません。
どうしたものかと困ってネットを調べていたら、一つの情報に当たりました。
「音源によっては音が重なっていると発音できなくなる」
というものです。
「どんな音源でも3和音とか出せるわけだからそんなことない」
と思っていたのですが、


どうやらランダマイズの時は本当に音が重なると発音しなくなるようです。


どういうことかというと、とある全音符が続いているとします。
ポジションの値を-10から10にするとどの音も0の時に発音したとき以外は音が重なる部分がでてくることになります。
この重なりが浅いときは音が出てくれますが(でもちょっと変な音の場合もある)重なりが深いときは音が出なくなります。


なのでポジションと長さの設定関係としては長さのmaxの値の中でポジションは設定すべきだといえます。
上の画を見てもらえれば分かりますが、それの長さはmaxが-7になっています。
なのでポジションはそれよりも低い数字にすべきなのです。
上の画ではポジションが-3~+3の値になっています。
つまり7の範囲内なので音が重なることはありません。
(全音符で開始位置が2.1.1.3になっても上の画の設定では終了位置は2.4.4.116か2.4.4.115になるので次の音と被ることはないことになる)
これを守っていれば音が途切れるということはないでしょう。


次にベロシティについてですがこれはテキトーでも構いませんw。
やりすぎは禁物ですがピアノやギターなど多少音量差がでかくてもそこまでの違和感はでません。
ですが、ドラムのスネアだけは別です。
これだけは1の違いで音量差がかなりでます。
なのでスネアだけは自分としては1~4くらいの音量範囲でしかランダマイズしません。
スネア以外にも音量差のでかい音源には気をつけましょう。


それと管理人はポジションや長さを「MIDIモディファイアー」でベロシティを「ロジカルエディター」で設定していますがこれにはもう一つ理由があります。
それはベロシティは失敗しても戻すのが楽ということです。
キーエディターで全てを選択してベロシティのところをキーボードで打てば簡単に全てが元に戻ります。
ですが、長さやポジションを一度「ロジカルエディター」で設定した場合、それを元に戻そうとして全体を選択して長さを打ち込んでも元には戻らず、一音一音手作業で直すことになります。
こういった理由もありベロシティを「ロジカルエディター」でランダマイズしているのです。
「ロジカルエディター」にはそういった罠もありますので慎重に扱いましょう。


以上がランダマイズについて管理人が行っているやり方です。
参考になれば嬉しいです。



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